MEGA

​ER構想

総合救急部はMEGA ER構想に基いて、診療領域を拡大させ、Patient 1stとCritical 1stの

ER診療を実現していきます。

​MEGA ER構想の計画

MEGA ER第1期

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ER部門からスタートしていきます。ERでの診療・教育体制の構築、スタッフ・リソースの充実、あらゆるパワーの源はここから始まります。

MEGA ER​第2期

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MEGA ERへ向けて、最初に外来部門として総合診療チームができます。ERで診断がつかなかったが入院が必要ない患者さんの受け皿として、まずは機能します。次第に増えてくる原因不明疾患や、地域包括医療、開業医との連携がここから始まります。

MEGA ER第3期

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ERや総合診療外来からの入院の受け皿として、病棟チームが発足します。病棟チームは病棟総合医として、次第に領域を拡張させ、複数領域にまたがる内科系疾患の入院管理を任されるようになります。病棟総合医が病院における入院診療の中心に成長します。

MEGA ER第4期

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入院の必要な患者のうち、重篤な疾患についてはE-ICUチームとして病棟チームから分化します。集中治療医によって管理されるE-ICUでは、重篤な内因性疾患・外傷患者の受け皿として機能します。

MEGA ER​第5期

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外傷外科医とIVR専門医を迎え入れ、外傷チームとIVRチームを発足させます。E-ICUとも連携し、この地域に不足している重症外傷患者の入院管理も可能とさせ、救命率の更なる向上に努めます。

MEGA ER第6期

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種々の機能が揃ったところで、より高度で幅広い知識の必要な小児救急チームを発足させます。MEGA ERを構成する人員は50人を超え、名実ともに日本一のER組織になります。

ER

ERでの診療・勤務モデル

 

 ER型救急では、”あらゆる患者”を”断らず診療する”のが原則です。この原則を守るには並々ならぬ努力が必要となってきます。あらゆる患者に対応するには、入院先となる各診療科の理解と協力・連携が欠かせません。院内のリソースで対応ができないときには、適切なタイミングでERからの転院搬送も柔軟に考慮します。「まず診せていただきます」の姿勢がER医にとって重要なのはいうまでもありません。そして、各診療科の理解や協力を得るには、ERでの診療が高い次元を達成できていなければならず、個々の実力アップが必要になってきます。専攻医はもとより、スタッフ自らグローバルスタンダードの知識・技術の絶え間ない習得に努め、お互いの穴を埋め合う教育姿勢と協調性が求められます。ERの充実は、各診療科のサポートにつながり、教育の充実につながります。各診療科のERに関する負担が軽減すると、それぞれの医師が目の前の患者の診療に時間も体力も集約できるようになります。ひいては病院全体の診療能力の向上にもつながっていくのです。病院の中の一部門でありながら、病院全体、地域全体に大きな影響を与えるのがERです。

 ER診療において大切なのは、Overcroudに備えることと、人数に見合った勤務体制をとることです。患者は時間帯だけでなく曜日によってもVolume zoneが異なります。どの時間帯に患者が多いかを十分に把握した上で、適正な人員配置をとります。患者の数の時間分布をある病院で調査した図を見ると分かるように、深夜や午前中は比較的すいています。どこにピークがあるのかを把握して、働いている人に強いストレスがかからないようにします。

 24時間Full coverするために無理に日勤と当直で2交代にするのは、長時間労働からくる疲弊を招きます。ER診療は目の前の患者に対応するだけでなく、長期に渡りERでの診療を維持していくSustainability(持続可能性)をベースにした勤務モデルの構築が必要と考えます。たとえ細くとも長く続けることが多くの患者さんや地域の人たちを救うことになるからです。これらの検討をもとにしたのが、3交代モデルです。ERでは継続性の高い勤務をしながら、心身ともに充実した状態で最適な判断をしながら、高効率で患者満足度を下げない待ち時間の短さも求められます。 

 ※記載されている勤務開始・終了時間は目安です

To Be

 救急搬送数 10,000台/年

 救急患者数 30,000人/年

 平均待ち時間 10分(受付から診察開始まで)

 ERからの入院率 50%(ER入院/全入院)

 3交代24時間Full Cover

​ 病棟なし​

​ 他の診療科との良好な関係性構築

総合診療

診療モデル

 

To Be

 感染症・不明熱・膠原病

 ジェネラルケース・Clinical Challenge

 PolypharmacyのDeprescribing

 地域包括ケアのvalue chainの担い手

​ 病棟総合医・開業医の養成

​ 総合診療部門を立ち上げるにはERと協力して行うのが望ましいと言われます。総合診療部門だけがあって、ER部門がない場合、総合診療部門の医師がERを兼任しているのを多く見受けられます。ER診療での負担を抱えたまま、家庭医や総合診療医として活動しているのが現状ではないでしょうか。成熟したER部門がない限り、自分たちが総合診療医としてありたい姿を求めるのは難しいのかもしれません。もちろん総合診療医であってもERでの経験は、自分の受け持つ患者に何が起こっても対応できる自信と深みを与えます。

 総合救急部では、ERを成熟させつつ総合診療部門を立ち上げます。その果たす役割はERののみならず、病院にとって大きな価値に繋がる部門です。担当する領域は予防医学・感染症・不明熱・膠原病・当初は不明熱やジェネラルケース(診療科のハザマに入った患者)、Diagnostic challengeといわれる診断困難例となります。高齢者も多くPolypharmacyのDeprescribingを行うことや、地域包括ケアにおける、病院➡地域包括ケア病棟➡介護施設や在宅といったvalue chainの中心を担うことになります。外来診療と入院診療の双方を行い、研修医や若手内科医のトレーニングの場としても機能します。人員の充足とともに、入院診療は一般病棟と地域包括ケア病棟を支えることになり、病棟総合医を養成しながら発展分化させることになります。また在宅医療に強いジェネラリストを地域に輩出することができれば、地域医療をささえる大きな力になります。これからの社会にとって益々欠かせない存在が総合診療医です。

病棟総合医

ホスピタリストの重要性

 

To Be

 ER+総合診療外来からの入院

 Team制

 平均在院日数7

 担当病床数150床​以上

 内科9領域coverage(呼吸器・循環器・消化器・神経・内分泌・腎臓・膠原病・感染症・心療)

​ ER部門と総合診療部門が機能すると、入院先に困る患者が必ず増加します。誤嚥性肺炎、尿路感染、皮膚軟部組織感染、不明熱、アルコール関連疾患、肺炎からの慢性心不全増悪、DM性足壊疽の感染、骨髄炎、椎体椎間板炎、高齢者の脱水、食思不振による電解質異常など枚挙に暇がありません。これらの疾患の特徴は、1つの診療科知識だけでは対応が難しいところにあり、入院担当医として総合力が求められます。

 総合救急部の考える病棟総合医は、まずは総合診療部門の入院診療を切り離し、病棟専従とします。主治医制ではなくTeam制で診療を担当し、仲間が増えてきたところで、徐々に入院診療の領域を各科と調整しながら広げていきます。最初は誤嚥性肺炎、尿路感染、皮膚軟部組織感染、不明熱、アルコール関連疾患、脱水症だけ、次に電解質異常、腸炎、心不全といった具合に話し合いをしながら、少しずつ少しずつ領域を拡大します。最終的には、ERや総合診療からの入院のほぼ全ての内科疾患を受け持ち、必要に応じて専門診療科にコンサルトする形をとります。ER部門、総合診療部門との連携により、より高い次元でのPatient 1stとCritical 1stを実現します。病棟総合医は内科入院の総合力が必要となる、非常に専門性の高い分野ですから、若い医師のトレーニングにも最適です。病院としてグループ内に精神科病院、認知症専門病院、リハビリテーション病院を持つのが強みで、病棟総合医の活躍を支えます。

E-ICU

集中治療

​ ERや病棟部門の充実は、重症患者の受け入れ増加を意味します。ERからの重篤な内科系疾患や外傷患者で集学的な治療を要する患者はICUで診療することになります。ここまでの流れが円滑に進めばERからの集中治療を担う部門を発足させます。発足当初は病棟部門から分化することになるでしょう。集中治療医が力を発揮するためには、どこまでを我々が担当するかがハッキリしないグレーゾーンをうまく取り扱うことにあります。超急性期やバイタル変動が激しい時期はもちろん集中治療医の出番ですが、集中治療医と同じ目線で状態が安定した患者を引き受けることができる病棟総合医が必要になります。病棟総合医が力を発揮するのには、集中治療医が必要です。ERや病棟総合医をベースに育った集中治療医は、病棟総合医と同じ目線を持つことができるため、集中治療医になるにはERや病棟総合医としての基礎が必要になります。集中治療室は短期間で高回転で診療することが、病院の機能面においても重要で、ER、総合診療、病棟、ICUが共通の認識で診療をすることが、それぞれのdestressに繋がります。

外傷診療

on IVR

​ 重症外傷診療は非常に高度な知識とトレーニングを要するものの1つです。外傷診療を担うのは外科をベースとした外傷専門医になります。しかし、日本にはまだ外傷専門医は少数しかいません。全ての救急病院に外傷専門医がいないのが現状です。ERでの開胸・開腹手術だけでも一人では行なえず、仲間が必要です。それだけでなくER診療の経験も、重症外傷患者の入院診療の経験も必要です。ERの機能が成熟しないと育成できないのが外傷診療医と言えます。これらの要件を満たすことができれば外傷診療部門を立ち上げることができます。同時に血管内治療のスペシャリストであるIVR医の確保も必要です。緊急的な止血術の中心は徐々にIVRにShiftしてきています。診療体制の構築は、症例の集積にも繋がります。重症外傷患者が減少してきている昨今、広範囲から患者が搬送されるシステムも必要となってきます。Preventable Trauma Deathを世界最小にできる総合救急部門を目指します。

小児救急

for the future

​ 小児の救急はある意味特殊な領域です。ER診療ではあらゆる小児患者も対象ですが、なかには先天性疾患を抱えた子、レスピレーターで過ごしている子、小児癌、免疫不全など専門性の高い小児もあります。小児の総合医である小児科医に学びつつ行われるER診療でも、小児救急に強い医師の存在は地域の子どもたちにも、その親御さんにも大きな安心を与えます。当初は分化させずにER診療の中で小児救急を行いますが、やがて小児救急部門としての立ち上げを考える時期がやってきます。虐待や母子家庭、家庭環境の問題など社会的な問題を抱えた患者にも、優しく適切に対応できる力が必要です。

社会法人杏嶺会 一宮西病院 ​総合救急部
​(代表)0586-48-0077